金華豚

テレビ番組などで取り上げられることも多く、日本でも知名度の上がってきた「金華豚」は高級ハム「金華ハム」の原材料となることでも有名です。中国の金華地域で古くから育てられてきた肉質の良い豚で中華料理には欠かせない食材のひとつです。しかし、日本にこの金華豚が入ってきたのは最近のことで、手軽に金華豚を手に入れることがなかなか難しいのが現状です。日本国内では「幻の豚」などとまで言われている金華豚とはどんな豚肉なのでしょうか。もし、手に入れる機会があったら自分の五感をフルに使って味わってみてください。

金華豚ってこんな豚

金華豚の豚肉は、他の豚にはない味・コク・香りを持っているといわれています。金華豚から作られる金華ハムがもっとも有名ですが、金華豚の旨みと舌触りはそのまま食べても十分美味しく食べられる上質なものです。

金華豚の特徴

金華豚の原産地は中国の浙江省(セッコウショウ)の金華市といわれています。もともと金華市で作られている中国ハム「金華火腿」を作るためだけに特別に育てられた小柄な豚のことです。この特別に育てられた豚は「両足鳥」という頭と臀部が黒色をしている豚で、私たちが聞いたことのある「金華豚」と同じ模様です。金華豚と両足鳥は同じブタだといわれることもありますが、金華豚の原種がこの「両足鳥」だといわれることもあります。金華豚は余計な脂肪がつかないように飼養されているため、体はあまり大きくなく中型から小型の大きさです。日本では出荷時にサイズが規定外になってしまうこともあります。また、顔にはしわが多くクシャっとした感じで、垂れた耳とお腹が印象的な体型をしています。

金華豚の育て方

金華ハムを作るための特別な育成方法とは、金華豚に与える飼料には麦やとうもろこしなどの穀物は一切与えずに、白菜やお茶の葉などといった野菜を発酵させて作ったエサだけを食べさせる方法です。この方法で育てられた金華豚は、皮が薄く余計な脂肪がつきにくいため小柄ですが、上質な加工用の肉質の豚になります。中国で飼養されている金華豚は体重が70kg前後になる月齢9〜10ヶ月で金華ハムに加工されるために出荷されます。日本では金華豚の良質な肉質を生かし、加工用以外にも対応できる出荷時の体重が100kg前後になるものも飼養されています。現在日本で飼養されている純粋な「金華豚」は大変数が少なく、中国の金華豚を原種として金華豚独特の肉質を損なわないような配慮を行いながら、肉質の良い他の品種の豚と掛け合わせた豚も育てられています。

金華豚と金華ハム

金華豚という名前を知っている人の中には「金華豚=金華ハム」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。金華豚と金華ハムは切っても切り離せない関係なのです。

金華ハムとは

金華豚から作られる金華ハムは、中国では「金華火腿」といわれているものです。「金華火腿」の「火腿」は中国のハムを表す言葉で、「金華火腿」を切り分けたときに肉質の断面が火のように赤く見えたことから「火腿」と呼ばれるようになったといわれています。ですから、「金華火腿(金華ハム)」は日本人がよく知っている一般的なハムより、イタリアのイベリコ豚のイメージに近いかもしれません。日本でも高級中国ハムとして知られている金華ハムは、世界三大ハムのうちのひとつです。金華ブタの後ろ足のモモの部分のみを塩漬けにしてカビを利用して水分を抜き、長期間じっくりと乾燥・熟成させて作られます。長期間熟成させる間に、金華豚の肉が酸化視しないように金華ハムを作られる途中に出る金華豚の脂を塗って作られるのも特徴です。熟成には気温の低い時期を選んで製造されているため、大量生産というよりは品質に重点を置いて作られていることが多いようです。この金華ハムの製造工程が日本の鰹節に大変よく似ていますが、良質な発酵・保存食品を作る過程で偶然似たものができたのではないかといわれています。

金華豚の利用法

金華豚で「金華火腿」が作られるようになった歴史は相当古く、はじめは携帯用の保存食として作られていました。しかし、金華ハムの持つ独特の味やコクが、ほかの食材を引き立てよりいっそう旨みを引き出すという特徴からスープや蒸し物などに使われることが多いようです。金華ハムを使ったスープや蒸し物は上品な香りと味で、高級中華料理には欠かせない高級食材として世界中で人気があります。日本国内でも金華豚が生産され以前より身近になってきたとはいえなかなか手に入りにくい食材であるというイメージは強いと思います。しかし日本国内にも、中国で加工された金華ハムが輸入されるようになってきたため中華食材の専門店や中華料理店などで扱っているところも増えてきました。最近では、金華ブタの飼育を積極的に進めている山形県の庄内地域や静岡県の御殿場の養豚農家や牧場で扱っているものを通販などでも販売され、全国から取り寄せられるようになってきました。

金華ハムの使い方

金華豚から作られる金華ハムはスープなどに使われることの多い食材です。一般的には大き目の固まり肉として冷凍などで扱われていていることもあります。金華ハムは削るように使う分量だけ切り取って使います。切り取りにくい場合には、少し大きめに切り取って軽く蒸すとやわらかくなります。やわらかくした金華ハムを食べやすい大きさや使いやすい大きさにカットして使いましょう。金華豚のハムを冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合には豚肉ににおいがつかないようにラップでぴったり包んで、保存用の容器や袋に入れて保存します。金華豚は野菜と一緒に煮込んだり、スープの出汁をとったあとの肉を饅頭に包んで肉まんのようにしても美味しく食べることができます。もし国内で金華豚の生肉を購入した場合には、自分で塩漬けにしてプロシュートなどの燻製を作るのもおすすめです。また、金華豚の生の豚肉も焼いただけで、豚肉とは思えないほどしっかりしたコクと旨み、ジューシー肉汁を楽しむことができます。燻製にする前に少し別の方法で金華豚の良質な豚肉を味わうのもいいかもしれませんね。


ページ先頭に戻る